不動産に関するニュース
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「住みたい街ランキング」の結果は各社バラバラ…「本当の1位」はどこなのか?
どこが調査しているのか?
各種の住みたい街のランキングは、基本的に一般消費者にアンケート調査を実施して、それぞれ独自に順位を決めて、結果を公表しているものだが、その調査方法に統一性があるわけではない。そのため、結果もマチマチで、あるランキングではトップに出てくる街が、別のランキングではベスト10に顔を出さないといったことが頻繁に起こりうる。 そうした違いについて、ランキングを実施している運営会社の意向が反映されているのではないかとうがった見方をする人もいないでもない。 たとえば、メジャーセブンの調査に関しては、調査主体であるメジャーセブンはマンション分譲が多い大手不動産会社の集合体であるため、大手の分譲が多い街が上位にくるように配慮されているのではないか。また、それぞれのサイトで、出広の多い分譲会社の強いエリアが上位に挙がるように配慮されているのではないか――といった具合だ。 そんな忖度はないと信じたいものだが、実際のところはわからないため、一歩引いた視点を持っておくのがいいのかもしれない。
同じ「住みたい街ランキング」でも、中身は別
それはそれとして、各種のランキングは大きく分けると二つに大別できそうだ。現実に買えるかどうか、住めるかどうかに関係なく、「単に憧れだけを挙げてもらうランキング」と、「実際に自分たちが住めそう、買えそうといったエリアを選ぶランキング」である。 図表1に、この種のランキング調査を実施している6社の最新の結果をまとめてみた。 図表1:各種住みたい街ランキングのベスト10比較 順位 リクルートSUUMO 長谷エアーベスト メジャーセブン ライフルホームズ アルヒ いい部屋ネット 1 横浜 吉祥寺 恵比寿 勝どき 辻堂 吉祥寺 2 吉祥寺 横浜 目黒 白金高輪 川口 横浜 3 大宮 池袋 自由が丘 横浜 多摩境 みなとみらい 4 恵比寿 大宮 中目黒 浅草 大泉学園 鎌倉 5 浦和 中野 吉祥寺 本厚木 海浜幕張 東京 6 目黒 新宿 横浜 平塚 たまプラーザ 中目黒 7 新宿 川口 広尾 八街 花小金井 浦和 8 品川 浦和 二子玉川 千葉 月島 大宮 9 池袋 立川 品川 東中野 船堀 新宿 10 鎌倉 三鷹 代々木上原 八王子 新秋津 恵比寿 ———- 【出典】 「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」発表! | 株式会社リクルート (recruit.co.jp) 「マンショントレンド調査 第34回 住んでみたい街アンケ―ト(首都圏/関西)2022年」| マンショントレンド調査 | マンション情報のメジャーセブン (major7.net) 首都圏、住みたい街ランキング2022…1位「吉祥寺」郊外人気 | リセマム (resemom.jp)022」 【ホームズ】〈首都圏版/関東〉2022年LIFULL HOME’S住みたい街ランキング | 住まいのお役立ち情報 (homes.co.jp) 本当に住みやすい街大賞2022 in 関東ランキング | アルヒ株式会社 (aruhi-corp.co.jp) 住みたい街 駅ランキング<首都圏版>|街の住みここち&住みたい街ランキング 202いい部屋ネット (eheya.net) ———- そのうち、リクルートSUUMOリサーチセンターの「SUUMO住みたい街ランキング」は、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している人を対象に、WEBアンケート形式で住みたい街(駅)を挙げてもらう仕組みで、現実に買えるか、住めるかとは関係なく選ぶことができる。 メジャーセブンや長谷工アーベストの調査も基本的には同じような仕組みであり、それゆえ、ランキングのベスト10をみても、顔ぶれがそう変わるわけではない。上位に挙がった街をみると、横浜、吉祥寺、恵比寿など重複している街が多い。
「住める街」としては八街や千葉もランクイン
それに対して、ライフルホームズのランキングは、「買って住みたい」と「借りて住みたい」が基準となっており、いずれも自分たちが現実に買えそう、賃貸住宅を借りられそうと感じる街のなかから、住みたい街を選ぶ仕組みになっている。図表1では、「買って住みたい」街のランキングを掲載している。 また、アルヒのランキングは、評価項目として「発展性」「住環境」「交通の利便性」「コストパフォーマンス」「教育・文化環境」の5項目があり、実際に住む上での評価が中心となっている。そのためだろう、SUUMOやメジャーセブンなどの調査結果とは上位の顔ぶれが大きく異なっている。 ライフルホームズの「買って住みたい」のトップは、都営大江戸線の勝どきだが、それ以外の5社のランキングではトップ10にまったく顔を出さない。トップ10のその他の顔ぶれをみると、本厚木、平塚、八街、千葉などの郊外の街も多く挙がっていて、選択に当たって、そのエリアの住宅の価格が重視されているであろうことが分かる。
総合ポイントで比較すると
これでは、ほんとうに住みたい街がどこなのか、こうしたランキングからはなかなか判断できないことになりそうなので、ひとつの指標として、6社のランキングから、独自に総合ポイントを算出してみた。 各ランキングの1位を10ポイントとし、10位を1ポイントとして合計得点を集計すると、上位は次のようになる。 ———- 1位 横浜 41ポイント 2位 吉祥寺 35ポイント 3位 大宮 18ポイント 3位 恵比寿 18ポイント 5位 目黒 14ポイント 6位 浦和 13ポイント 6位 川口 13ポイント 8位 中目黒 12ポイント 9位 新宿 11ポイント 10位 池袋 10ポイント 10位 勝どき 10ポイント 10位 辻堂 10ポイント ———- 上位に挙がった横浜、吉祥寺、大宮、恵比寿などは各種ランキングのうち3社以上で10以内に入っており、幅広くポイントを伸ばしている。特に、リクルート、メジャーセブン、長谷工アーベストのランキングなど、漠然と憧れる住みたい街を問うランキングにおいて、上位に挙がっていて、それが総合ポイントを高くする要因となっているようだ。 それに対して、総合ポイントで10位に入った勝どき、辻堂などは、特定のランキングでトップに立ったため、それだけで10ポイントを取得し、結果的に総合ランキングでも10位に入ってきたに過ぎない。 たとえば、コストパフォーマンスなどの関係で「買って住みたい街」や「本当に住みやすい街」のトップに挙げられただけで、他のランキングではトップ10の圏外となっている。
どのランキングを参考にすればいいのか
身も蓋もない話だが、ほんとうに住みたい街がどこなのか、各種ランキング調査だけでは、簡単には判断がつかないのかもしれない。 しかも、多くの調査でランキング上位に挙がってくる街は、人気が高い分、マンション価格も高くなる。たとえば、総合ランキングで上位に挙がっている横浜駅の中古マンション平均価格は4817万円、吉祥寺駅は5067万円、大宮駅は3574万円、恵比寿駅は9132万円などと、駅によっては簡単には手が出せないエリアがある。 強いて言えば、購入に当たっては直接的な参考にはならないのかもしれない。むしろ、総合ポイントはそんなに高くなくとも、「買って住みたい街」など、ニーズが絞り込まれたランキングのほうが参考になりそうな気もする。 こうした従来のランキングの特徴を踏まえた上で、注目しておきたいのが、新たなランキング調査を実施する傾向がみられるようになってきた点だ。 たとえば、リクルートSUUMOリサーチセンターでは、先のランキングとは別にいま住んでいる街に住み続けたいかどうか、継続居住意向を調査している。単なる憧れではなく、実際に長年そこに住んでいる人を対象に、今後も住み続けたいと思うか、魅力的な街がどうかを調査しているわけだ。 その結果は、江ノ島電鉄線の湘南海岸公園駅がトップで、みなとみらい線の馬車道駅が2位、3位にみなとみらい線の日本大通りがランクインしている。同じSUUMOの調査でも、上記のランキングとはまったく異なる結果だ。 さらに、いい部屋ネットを運営する大東建託では、都道府県別に各エリアに住んでいる人が、その街をどう感じているのかを調査し、ラインキングを作成している。たとえば、最新の愛知県版では、長久手市がトップで、2位は日進市、3位がみよし市となっている。 結論としては各種の人気ランキングは話題として楽しむ程度に止めた方が無難だろう。実際に購入に際して参考にするなら、アンケートの条件を細かくチェックして、自分たちのニーズに合ったランキングの結果を参考にするのが現実的だと思われる。
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