約18%の人が自宅や近所の家で空き巣の被害を経験、空き巣は身近な犯罪
「空き巣被害に関する意識調査」で、「あなたの自宅もしくは近所の家が、空き巣に入られたことはありますか」と聞いたところ、1回以上あると回答した人が17.7%もいた。
自宅もしくは近所の家が空き巣に入られた経験の有無では、空き巣被害を知った後で、空き巣対策をしたかどうかを聞いたところ、52.8%が対策をしたと回答。具体的な防犯対策としては、「鍵を交換した」、「鍵の数を増やした」、「転居した」、「防犯ガラスに変更した」、「防犯カメラを設置した」などが挙がった。
この調査では、20代~60代600人に調査を実施しているが、自宅が持ち家か借家か、一戸建てか共同住宅かは不明だ。実際にはそれによって、防犯対策の選択肢は変わってくる。
借家の場合で考えると、自分でできるのは、補助錠を付けるなどで鍵を増やすか(この調査結果にはないが、防犯フィルムをガラスに貼る対策は可能)、それでも不安ならば転居も選択肢の一つになるだろう。基本は大家に依頼して、防犯対策を強化してもらうことになる。
持ち家で一戸建ての場合なら、個人の判断で防犯対策を強化できるのだが、マンションの場合は、一般的には鍵の交換やガラスの変更は共用部分に該当するので、管理組合と相談して対応策を取ることになる。
侵入を防ぐには、鍵と窓ガラスの防犯性がまさしくカギになる
調査では「空き巣」が対象だが、警察庁によると、住宅に侵入して金品を盗む「侵入窃盗」には、家人の留守を狙う「空き巣」、家人の就寝中に盗みを働く「忍び込み」、家人が在宅中に侵入する「居空(いあ)き」の3種類の手口があるという。
警察庁のサイト「住まいる防犯110番」によると、侵入するのは圧倒的に『窓』から(一戸建て57.6%、3階建以下の共同住宅56.9%、4階建以上の共同住宅34.9%)で、4階建以上の共同住宅だけは『表出入口』(52.4%)が多くなっている。
侵入する手段は、「無施錠」と「ガラス破り」が大半。まさしく「鍵」と「ガラス」がカギになるようだ。
防犯対策としては、可能な限り防犯性の高い鍵や窓ガラスに交換することが挙げられるが、そもそも「無施錠」であればその効果は期待できない。
では、なぜ鍵をかけないのだろうか?
「防犯意識と実態調査」結果では、5分以内の外出なら鍵をかけない人が約48%もいた。「すぐ戻るつもりだから」、「これまで空き巣に入られたことがないから」、「安全な地域に住んでいると思うから」などの理由で、鍵をかけずに外出するというのだ。
つまり、「油断や思い込み」が無施錠につながって、窃盗犯に狙われることになる。
窃盗犯に侵入されることで、金品が盗まれるのも困るが、家の中に侵入されたことの不安や恐怖は堪えがたいものだろう。
一方、窃盗犯もプロなので、必ず下見をして侵入しやすい家を物色すると聞く。夕方になっても照明が付かないなど留守の時間帯を調べたり、外から見て窓が開いているか確認したりして、侵入する家をあらかじめ決めているわけだ。
マンションにオートロックがあるから、防犯カメラがあるから、上層階だからと油断していると、ほかの人と一緒に入ったり、防犯カメラの死角を探したり、壁をよじ登ったり屋上から降りたりして、無施錠の窓から侵入されることもある。
かくいう筆者もエアコンが苦手なので、就寝中に窓を少し開けておくことがある。窃盗犯に狙われないように、これからは気をつけるようにしようと思う次第だ。
鍵や窓ガラスの強化に加え、音や光、カメラの目などを活用
では、具体的にどういった防犯対策が効果的だろう。
ALSOKの調査で「具体的な空き巣対策」を聞いたところ、対策をしている37.9%では、「玄関扉・勝手口の扉の鍵を二重にする」(64.9%)が最も多く、「窓ガラスに補助錠をつける」(31.5%)、「窓ガラスを強化ガラスにしたり、防犯フィルムを貼る」(22.0%)と鍵や窓ガラスの防犯性強化を実施している人が多かった。
実際に行っている扉や窓を施錠する以外の防犯対策
ほかにも、「防犯砂利」を敷くなど音による対策や「防犯カメラ」などカメラの目による対策なども見られた。加えて、人を感知すると照明が点灯する「人感センサー照明」など光による防犯対策も効果的だろう。
8番目の「キーカバー/キーケース」に鍵を入れるという対策は、管理会社と名乗り確認のためと鍵を出させ、鍵に刻印された鍵番号から合鍵をつくって侵入した事件をきっかけにしているのだろう。特に女性の一人暮らしでは、鍵番号を知らせないような対策にも気をつけたいものだ。
最近では、TwitterやFacebookなどのSNSで「これから海外です」など長期不在の情報を得て、発信時の位置情報などから自宅を探り当てる窃盗犯もいると聞く。
夏休みシーズンに入り、長期間自宅を留守にする人も増えるだろう。留守情報をオープンにするなどは慎んで、出かける際には近所の人や管理会社に声をかけたり、郵便物や新聞の配達を止めたりといった対応も考えて、空き巣に備えるようにしてほしい。
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